「なろう風」失敗の本質入門 レビュー

 

皆さん。こんにちは。

 

本屋やネット上に溢れる「○○必勝法!」「誰でも100%勝てる方法」など勝つための方法がずらりと書いてある情報がありますが、

たいてい怪しいものが多いですし、試してもうまくいかなかったということが多いのではないでしょうか。

 

「そんな悩める方々にはこちらの商品がおススメ!!」っと怪しいツボを売る気はございません笑

 

そもそも、普段暮らしている中では、成功した!っと感じるより失敗したな~↘落ち込むことの方が多いかと思います。

まずは、失敗する理由はなんだろうと把握することで心のゆとりも持てますし、失敗を恐れずになるのではないかと思い、この本を手にとってみました。

 

 

今回の勉強教材は、【「超」入門失敗の本質 著 鈴木博毅 ダイヤモンド社

です。組織論の名著である「失敗の本質」を分かりやすくまとめている入門書のようなもので、私のような初めて読む人にも抵抗感なく読めます。

 

著者の鈴木氏は、大東亜戦争における日本軍の敗戦理由を以下の7つの観点から述べています。

 

1.戦略性の弱さ

2.練磨の思考

3.指標とイノベーション(ルールチェンジ)

4.型の伝承

5.現場との連携不足

6.リーダーシップ

7.リスク管理の誤解

 

 

7つの観点から日本軍の敗戦理由が、現在の日本企業の苦境に通ずるものがあるのではという論調で書かれた書籍であり、規模の大きい話ではありますが、要素要素は普段の生活を振り返る材料にできると思います。

 

今回はこれらの1-5の敗戦理由を、「なろう風」ストーリーで説明していきたいと思います。

※「なろう」とは異世界転生モノの小説サイトで有名な小説家になろうというサイトのことです。

  

 

登場人物設定:

主人公:「ドリー」ドワーフ商会の頭取。

 

なろう系でよくある、時代は中世ヨーロッパ風。

剣と魔法とモンスターが跋扈する異世界

冒険者が日々ギルドの討伐依頼を請け負い、討伐したモンスターを換金して生計を立てる。

一攫千金を夢見てダンジョンの最奥を目指す者、また、地位と名誉を渇望しギルドランクのトップであるS級を目指す者であふれる賑やかなとある町。

 

 

この街には、冒険者御用達な武器屋が2軒ある。

1つは老舗商会であり、ドリーが3代目頭取を務める「ドワーフ商会」

もう1つが新進気鋭の商会である「スグル商会」

 

 

<ドワーフ商会>

ドワーフ歴元年創業の100年続く老舗商店。

伝統的な剣作りを尊ぶドワーフを多く抱える職人集団。

上下関係の厳しい子弟制度で従業員を増やしていき、直営店による店舗拡大をみせる。経営方針は創業当時と変わらず「剣と己を磨け」

ドワーフ商会印の片手剣は、質の良さと比例し価格も非常に高く、高ランク者の定番アイテムとして認知されている。

 

<スグル商会>

新進気鋭の創業10年の商会。剣づくりの職人を雇用するものの、ドワーフ商会に品質では負ける。

イデア勝負でドワーフ商会に対抗しているため、現場との意見交換もフラットにおこなう。

経営方針は、「すべては冒険者のために」

安価な武器も多く、低ランク者御用達。剣の品質自体は並みであるが、使いやすさやサービスの良さで評判。

 

 

 

街付近のダンジョンで最も危険なモンスターは、鋼鉄の甲羅を持つ「ブラックタートル」。

「より切れる剣」を追求するドワーフ商会の剣と相性がよく、討伐用のアイテムの一番人気。

ドリーも自分の商品が、初代、2代目にも負けない品質の剣であるとの自負を持っている。

一方、スグル商会は太刀打ちできず、2番煎じという評価を受けている。

 

 

 

3.指標とイノベーション(ルールチェンジ)

 東風吹く春節の折、新しく赴任してきた領主が新たなダンジョン産アイテムの普及を求め、数十年来進んでいなかった街のダンジョン攻略に本腰を入れ始めた。

領主直属の最高戦力を投下し、20階層が最前線だったところ、30階層以下まで進んだ。攻略法が広まった階であればより多くの冒険者が下層に入っていく結果となった。

ダンジョ下層を進んでいくと、これまで苦戦していた「ブラックタートル」退治に効果的なアイテムが発見され、必ずしも鋼鉄級の甲羅を切り裂く必要がなくなった。

 

ここで焦るべきはドワーフ商会。 

 

であるが。。

 

ドワーフ商会の対応>

4.型の伝承+2.練磨の思考

 

看板商品である片手剣の売り上げが少しづつ減少してきている。

イライラが収まらない頭取のドリー。方針転換を提案してきた幹部、従業員に怒鳴り声で叱責する。

 

「過去100年に渡って、より切れる剣を作ってきたんじゃ!ブレない精神が成功の源なんじゃ!」

 

「敵が変わろうとも、必要とされるのはより切れる剣じゃ!そんなことも分からんのか!」

 

冒険者どももワシらの剣が必要と後で泣きついてくるはずじゃ!」

 

 

過去の成功体験に引きずられてか、100年の伝統が邪魔をするのか。

現状「より切れる剣」への需要が減っていることに目を向けず、これまでの伝統的な剣の作成、販売を維持することを決める。

また、売り上げの低下も技術向上で取り返せると考え、より質の良い剣を作るための新素材を買い漁る。

 

5.現場との連携不足

街一番の技術屋の屋台骨を支えているのは優秀な職人や販売店

その販売現場 や冒険者と話す職人から新しいアイデアが出る。

伝統的な剣作りとは一線を画すが、新しい階層により求められている剣。また、「より切れる剣」よりも「より頑丈な剣」また「切れやすさが落ちてもいいから錆びづらい方がいい」という冒険者のニーズを理解している現場から幹部にかけあい、再度ドリーに提案を試みる。が、、、

 

「若造に剣の何が分かる!黙ってその未熟な腕を磨かんか!」

 

 「冒険者の意見など素人の戯れ言じゃ。捨て置けい。」

 

 

一方的に現場の意見を却下し、伝統的な手法に則る自分が正しいと一方通行的な考えを現場に押し付けるドリー。現場は不満がたらちゃんだ。

 

1.戦略性の弱さ

半年。1年。2年後・・

ドワーフ商会の売り上げは改善どころか全盛期の半分以下となった。

「ダンジョン攻略」「モンスターを倒し、冒険者の命を守る」という真の目標に直結しない努力に邁進してしまったことで、売上や店舗数、評判もスグル商会に追い抜かれてしまった。

現場はそれ見たことかとウンザリ気味に酒場でぼやき、スグル商会にヘッドハンティングされた同僚の話を肴に酒をあおる。

 

意気消沈のドリー、自室でポツリ。

 

「これまで上手くいっていたのに、なぜ今回は上手くいかないんじゃ~(プルプル涙目)」

 

 

 

 

一方、指標がこれまでの「ブラックタートル」退治から、未知のモンスターへの対応や簡易に「ブラックタートル」を退治することに変わったことを機微に嗅ぎ取ったスグル商会。

これまで、ドワーフ商会に追い付け追い越しで取り組んできた剣の品質強化を一旦停止。

 

 

<逆パターン>

3.指標とイノベーション(ルールチェンジ)

スグル商会はこれまで最も冒険者のニーズが合致していた「より切れる」という指標が、今後どんどん変化していくことを察知。

より切れるというルールからの脱却を図り、新しい指標が何になっていくか、また自分達で新しいルールを作っていけないかを画策していく。

まずは、新階層の様子や最も障害になるものを冒険者からヒアリングをおこない情報収集をおこなっていった。

 

 

4.イノベーションと2.革新(⇔4.型の伝承+2.練磨の思考

現場の生産も職人のこれまでの業務を半分にし、残った余剰生産力で新素材を使った商品開発に投入することを決める。

試作品を冒険者に提供しサンプリングしながら、指標が何になっていくかニーズを探っていく。

 

 

5.現場の意見の活用(⇔5.現場との連携不足)

販売現場 や冒険者からのヒアリングの結果、ドワーフ商会の優秀な現場同様、「より切れる剣」よりも「より頑丈な剣」また「切れやすさが落ちてもいいから錆びづらい方がいい」という指標が重要になっていることに気付く。

フラットな関係性であるスグル商会では現場からの声も上層部に届きやすく、すぐさま商会の方針にも反映されていった。

現場から詳細なフィードバックをおこない、武器に切れやすさを付与するアイテムが見つかったことで、剣自体には「切れやすさ」より「耐久性」を求めるようになったという理由の深堀りもおこなった。

そこで、スグル商会はアイデア力のある販売担当を新商品開発責任者に置くなど、商会内の風通しをよくし、「より頑丈な剣」を作る方針にシフトし新商品開発を進めていった。

 

 

1.戦略的行動(⇔1.戦略性の弱さ)

冒険者のために」という社是のもと、

「ダンジョン攻略」「モンスターを倒し、冒険者の命を守る」という目標に直結する商品開発を目指すスグル商会。

半年。1年。2年後・・

スグル商会の売り上げは右肩上がりを続けている。

看板商品となった「耐久性」抜群の剣のみならず、新階層で冒険者の命を何度も救うことになった装備品や補助アイテムも短納期でドンドン開発していった結果、

街一番だったドワーフ商会を店舗数でも評判でも追い抜き、スグル商会は、新人からベテラン冒険者の間で無くてはならない存在となった。

 

 

ちゃんちゃん

 

 

 

書籍内で表されていた大東亜戦争時の日本軍VS米軍の構図を、伝統思考のドワーフ商会vsイノベーション大好きなスグル商会に置き換えて、内容まとめてみました。

練磨の思考が強い私達ではありますが、例えば、今日は家事が午前中に終わらなかったなーと反省した際に、

ヨシ、それじゃあ洗濯、掃除にかかった時間を減らそうと考えるのが、練磨の思考。

そもそも昨晩のうちから少し準備しておけばいいのではと考えるのが指標の変更。

といったように普段の生活から活かす場面は多々あるかと思われます。

 

 

異世界モノに馴染みが無い方はなんのこっちゃと思うかもしれませんが、筆者の趣向の為、寛容な心で受け入れて頂ければ幸いです。

 

ではでは。